
ダイエットや健康のためにファスティングをやってみたいけど、やり方がたくさんありすぎて、どれをやればいいのかわからない!
という方のために、この記事では色々なファスティングの方法を紹介し、それぞれのメリットとデメリットを解説します。
さらに、それぞれのメリットを取りいれた一番効果的なファスティングの方法もご紹介。パーソナルトレーナーとしてお客様を指導してきた知識や経験をもとに、本当に痩せるファスティングの方法を解説します。
私自身もファスティングを何度もやっており、体脂肪を減らしたり、体が疲れにくくなったり、頭がさえたりといった効果を感じています。
ファスティングのやり方で失敗しないように、この記事を参考にしてファスティングの素晴らしい効果を体感してください。
ファスティングの効果
ダイエット効果
正しくやれば、ファスティングには素晴らしいダイエット効果があります。はじめは空腹を感じますが、ファスティングを継続するうちに慣れてきて、食べたい気持ちがなくなっていきます。
体重を減らしたい、お腹の脂肪をとりたいという方にファスティングはとても効果的です。特に今までファスティングをやったことがない方は、高いダイエット効果が期待できます。
はじめは強い空腹感を感じるかもしれませんが、やればやっただけ痩せることができますので、ぜひ一緒にファスティングに挑戦しましょう。
デトックス効果
ファスティングにはデトックス効果があります。空腹の時間に腸内環境をととのえ、使わなくなったいらないタンパク質を排出します。
整腸作用
腸内環境をととのえる効果は、人間がまだ狩りをしていたころ、食べられない時間が長かったために、それに適応するために進化してきた、と考えられています。
食欲をおさえて、食べすぎを予防したり、ジャンクフードなどの体に悪い食べものが欲しくなくなったり、なかには便通がよくなる方もいらっしゃいます。
オートファジー
使わなくなったタンパク質を捨てることを、オートファジーといいます。ファスティング中のお腹が空いている時間に、体内の老廃物を体の外にだします。
これも、人がまだ狩りをしていた頃のなごりだと言われていて、食べられない時間に体の整理整頓をしていたんですね。
老廃物を外にだすことによって、疲れが取れやすくなるのはもちろん、お肌が綺麗になったり、頭がさえて仕事のパフォーマンスがアップしたり、筋肉がつきやすくなったり、といった効果が期待できます。
ファスティングのやり方まとめ
ファスティングには色々なやり方が紹介されていますが、間違った方法もたくさん紹介されています。間違った方法で断食してしまうと、疲れやすくなったり、逆に太ってしまったり、日常生活に支障をきたすこともあります。
ここでは、ネットで紹介されている、たくさんのファスティングのやり方を紹介し、パーソナルトレーナーとしての知識と経験をまじえて解説していきます。
1日ファスティング
やり方は簡単
やり方は簡単。1日何も食べない。それだけです。
基本的には水だけを1.5〜2.0リットル飲んでもいいとのこと。ジュースや炭酸水はNG。ファスティングの翌日は「回復食」と呼ばれる、体にいい健康的な食事を食べた方がいいそう。バナナスムージーや豆乳のスープなんかが紹介されていました。
体重1kgのダイエット効果や、内蔵を休ませ、免疫力をアップさせる効果もあるんだとか。断食初心者は週末など、休みの日にやってみることがオススメとあります。
水だけで週末をエンジョイできる方にはおすすめの方法です。
実は上級者向けの方法かも
1日だけのファスティングなら、特に体に害はありません。期待しているダイエット効果や、免疫力をアップさせる効果もあります。
ただし、かなりの空腹感にたえる必要がありますので、ファスティングに慣れている上級者向けの方法といえるでしょう。
また、意外と続けるのが難しいということも覚えておいたほうがいいです。ネットでは「週末なにもしない日に、食べないだけだから簡単です」というふうに書かれていますが、せっかくの休日になにも食べられないところを想像してみてください。
さらに、ダイエット効果やデトックス効果を体感しようと思ったのなら、続けることが大切です。何も食べない週末が1ヶ月、2ヶ月と続くのを想像してみてください。
友達とランチの予定も、大事な人とのディナーも、キャンセルすることがあるでしょう。ファスティングの効果を体感できる、もっと体にも大事な人にも優しい方法があるといいですね。
3日間ファスティング
準備と回復を含めると9日必要
まったく固形物を食べない期間が3日間。
こちらもファスティング中は水以外のものは一切ダメ。ただし、ファスティングの前後に準備期間と回復期間がそれぞれ1〜3日ほど必要で、ファスティング期間の合計は9日になります。
準備期間の食事は野菜中心、お肉はダメ。サラダや味噌汁なんかがおすすめとのこと。回復期間の食事は、おかゆなど胃腸に負担をかけない食べ物や、野菜ジュースのような消化に良いものを取るといいそう。
金・土・日の週末なら、お付き合いや仕事のスケジュールもそれほど気にならないはず、とのこと。
期間が長いほど効果は高いの?
ご覧になられたとおり、かなり過酷なファスティングです。人によっては準備期間で栄養不足になり、元気がなくなったり、体調を崩してしまうかもしれません。
ファスティングに慣れている人なら問題ないのでしょうか?準備や回復も含めて9日間、ファスティングを頑張るのだから、それだけのダイエット効果やデトックス作用を期待したいところですが、どうでしょうか?
実は意外とそうでもありません。
人間がまだ、狩りをしていた頃の生活に適応するために、空腹時間にデトックスすると言いましたが、3日間以上の空腹は、いつもの空腹ではなく緊急事態です。
緊急事態になってしまうとデトックスどころではありません。体にたくわえた脂肪もいざというときのために、守らなければなりません。
そこで体は省エネモードに。カロリーをできるだけ使わないように代謝を下げ、エネルギーをたくさん使う筋肉はカロリーの無駄遣いになるので、優先的にどんどん燃やしていきます。
ダイエットやデトックスのためにやっているファスティングが、脂肪を燃やしにくくしてしまうなんて考えたくないですね。
5日間ファスティング
長い断食を乗りこえる秘訣?
5日間ファスティングの具体的なやり方は、ネット上にはありませんでしたが、やってみた方の個人的な感想がたくさんありましたので、紹介します。
・肌のくすみが抜けてツヤが出た
・5日目の朝でマイナス3,9キロ…毎日減ってる
・空腹感はあるもののそれは苦痛とかではなくなり身体が軽い感じに
(引用元:https://stylehaus.jp/articles/15384/)
この方は、ファスティング中も酵素ドリンクや甘酒を飲み、トレーニングや有酸素運動もたくさんしていたとのこと。それほど苦痛もないようですし、3.9kgも体重が減り、肌にツヤがでるなら、酵素ドリンクや甘酒を使ったファスティングに挑戦してみたくなります。
酵素ドリンクや甘酒を使ったファスティングについては、あとで解説します。
ところで、ファスティングって断食のことですよね?
飲み物とはいえ、酵素ドリンクや甘酒みたいなカロリーの高いものを摂っても、ダイエット効果やデトックス効果は得られるのでしょうか?
なにも食べずに5日間は耐えられない
まずは酵素ドリンクと甘酒のカロリーをみていきましょう。
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- 酵素ドリンクのカロリーは約140〜330kcal/コップ1杯(200ml)あたり
- 甘酒のカロリーは約160kcal/コップ1杯(200ml)あたり
酵素ドリンクはカロリーの高いもので、ごはん1杯(330g)と同じくらいのカロリーがあります。もちろん原液で飲むものではないのですが、飲み過ぎには注意しましょう。
少量ですがしっかりとカロリーを摂取していたので、5日間のファスティングを乗りこえることができたんでしょうね。
デトックス効果についてはどうでしょうか?
酵素ドリンクや甘酒は飲みのものだから消化に負担がかからないので、デトックス効果はありそうですよね?
その点は安心してもいいようです。ファスティングは12時間もやれば、ほとんどの老廃物が排出されることがわかっています。ただし、朝、昼、夜と、1日3回、酵素ドリンクを飲んでしまうと、デトックス効果も得られなくなりますので、気をつけましょう。
飲み物としては高カロリーな酵素ドリンクや甘酒を使っていたからこそ、トレーニングや有酸素運動もしっかりできていたのでしょうね。
プチ断食
プチ断食とはプチファスティング、間欠的ファスティングとも呼ばれるファスティングのやり方で、1日のうち何時間か食べない時間を作るファスティング法です。
先に紹介した1日ファスティングや3日間ファスティングをプチ断食として紹介する記事もありますが、本来は1日よりも短い時間、断食をすることをプチ断食といいます。
体に負担は少なそうですが、ダイエット効果やデトックス効果はあまりなさそうなイメージのプチ断食。実際のところどうなのでしょうか?
色々なやり方があるので解説していきます。
リーンゲインズ
16時間ファスティング、16時間断食、とも呼ばれ、1日に16時間ファスティングの時間を作り食事の時間を8時間とする方法。最近ではオートファジーダイエットとも呼ぶようです
例えば、「12時から20時まで」や、「8時から16時まで」など、8時間の食事時間はお好きなタイミングでかまいません。
リーンゲインズ中は、基本的には水のみ。といっても、16時間のうち、6〜8時間は眠っているので、食事の必要はありませんね。8時間の食事の時間は好きなものを食べてもいいそう。
野菜はもちろん、お肉でもパンでもお菓子でもなんでも。これで本当に痩せるのか、デトックス効果があるのか、不安になってきますよね。
1日1食ファスティング
食事は1日に1回だけ。朝でも昼でも夜でも、好きな時間に一回だけ食事をする、というファスティング法です。
これもファスティング中は、基本的に水のみ。食事の時間は好きなものを食べてもいいらしい。
5:2ダイエット
1週間うち、5日間はふつうに食べ、2日間は500kcalで過ごす、というファスティング法。500kcalというと、少なめの食事一回分です。
たしかに厳しいですが、これも食事を完全に断つ、断食のイメージとは違い、一日一食ファスティングの上級者バージョンといった印象。
その他のファスティング
酵素ドリンクや甘酒、味噌汁にプロテイン。ファスティングに使うドリンクについてが、ネット上でたくさん紹介されています。
どのファスティングも準備期間と回復期間があり、準備期間には野菜や汁物を、回復期間にはおかゆ等の消化に良いものを食べるみたい。このあたりは先に紹介したファスティング法と同じですね。
それぞれについて詳しく解説していきます。
酵素ファスティング
ファスティング中の栄養不足を補うために酵素ドリンクを飲む、という方法。
酵素ドリンクは豆乳に混ぜたり、ドレッシングとして使ったり、使い道はたくさんありそうです。
たくさんのメーカーがオリジナルの酵素ドリンクを発売していますが、自然由来の製法で作っていることをウリにしているメーカーが多いようです。
ファスティング中に酵素を摂取することでデトックス効果を高めるという証拠や、どのくらいのビタミンがはいっているのか、といった謎はありますが、カロリーをしっかりと摂れることは確か。
先に紹介したように酵素ドリンクのカロリーはコップ1杯(200ml)あたり約140〜330kcal。飲み過ぎに注意し、ファスティング中は最低でも12時間は酵素ドリンクを飲まない時間を作ることで、酵素ファスティングの効果を体感することができるかもしれません。
甘酒ファスティング
一日3食を甘酒に置きかえるというファスティング法。
酒粕に砂糖を加えたものよりも、米麹を発酵させたもの方がダイエットには向いているとのこと。甘酒は栄養がたっぷりで、酵素もたくさん入っているのでデトックス効果が高いらしいです。
ファスティング中の栄養として甘酒が一番いいのかどうかは、まだ分かっていませんが、こちらもカロリーをしっかりとれることは確か。先に紹介したように甘酒のカロリーはコップ1杯(200ml)あたり約160kcal。
甘酒も酵素ドリンクと同じで、飲み過ぎに注意し、ファスティング中は最低でも12時間は甘酒を飲まない時間を作りましょう。
味噌汁ファスティング
一日3食を味噌汁に置きかえるというファスティング法。
味噌汁にはたくさんの栄養素が含まれているから、ファスティング中の栄養不足を補うのにピッタリなんだそう。
繰り返しになりますが、ファスティング中の栄養として、なぜ味噌汁が一番いいのかについては、どのサイトにも書いていませんでした。
ただ、味噌汁はカロリーが低いので、その点では酵素ドリンクや甘酒よりも、ダイエット効果は高いかもしれません。味噌汁のカロリーは1杯(240ml)あたり約60kcal。
こちらも飲み過ぎに注意し、ファスティング中は最低でも12時間は味噌汁を飲まない時間を作りましょう。
プロテインファスティング
一日3食をプロテインに置きかえるというファスティング法。
GronGというプロテインメーカーが考えたファスティングの方法のようです。タンパク質をしっかり摂ることで、筋肉の分解をおさえることができるとのこと。
トレーナーとしてはこの方法をおすすめしたいところですが、やっぱりこの方法もファスティングの効果を高めるかといえば、その点は謎のままです。
さらに、3食をプロテインに置きかえてしまうと、空腹時間を作り、その時間に腸内環境をととのえ、体の老廃物を体の外にだす、というファスティングの本当の目的を達成することができなくなってしまいます。
一番効果的なファスティングは?
いろいろなファスティングの方法を見てきましたが、どれもメリットとデメリットがあり、結局どれが一番いい方法なのか、わからなくなってしまいましたね。
ここでは、すべてのファスティングのメリットを組みあわせた、私が一番効果的だと考えるファスティングの方法を解説していきます。
さらに、私が指導させて頂いたお客様の感想もあわせてご紹介します。
それぞれのメリットを組みあわせた断食法
ファスティングは健康によく、ダイエット効果も高いものの、ほとんどの方には空腹感が強く、1日以上の断食はハードルが高いうえに、デメリットも多いです。
そこでおすすめしたいのがプチ断食。その中でもおすすめはリーンゲインズに、その他のファスティングのメリットを組みあわせた方法です。
このファスティングの方法は、人がまだ狩りをしていた頃の自然な形で、無理なく健康的に痩せられる断食法という意味でナチュラルファスティングと呼んでいます。
それでは、ナチュラルファスティングが効果的な理由と、そのやり方を説明します。
ナチュラルファスティングのやり方
まず、食事を食べる時間をあらかじめ決めておきます。時間は8時間。朝型の人なら8時〜16時、一般的には12時〜20時の時間帯がやりやすい人が多いかもしれません。夜型の人なら、16時〜24時でも問題ありません。
いろいろな研究からファスティングの効果は12時間以上あれば十分で、14時間〜16時間が最も効果が高いことが分かっています。また、時間を自由に決められるので、付き合いや大切な人との約束を犠牲にしなくてもよくなります。
さらに、人の自然な食事のリズムを取り戻すことで、ダイエットやデトックスの効果を高めることができます。
ナチュラルファスティング中の食事
一食目はプロテイン
ナチュラルファスティング中の1食目はプロテインを飲みます。
その理由は食欲を抑えるため。プロテインは手軽なタンパク源として有名ですが、実はプロテインは食欲を抑える効果が高いことが分かっています。
最初にプロテインを飲んだら、あとは酵素ドリンクや甘酒のメリットを組み合わせるために、以下のものを好きなだけ食べてください。
たっぷりの野菜
どんな野菜でもかまいません、食べたいだけ、好きな野菜を食べてください。野菜は体の中で酵素に変わり、しっかりとデトックス効果を発揮してくれます。
酵素ドリンクの効果はまだよく分かっていませんが、野菜からは100%確実に酵素を摂取することができます。
たくさんのお肉
こちらも好きなお肉を食べたいだけ、食べてください。卵やお魚も効果的です。
お肉やお魚はビタミン・ミネラルが豊富で、酵素ドリンクやプロテインよりも確実に、美肌や筋肉を作ってくれます。
好きな炭水化物
サツマイモやジャガイモなどのイモ類がおすすめですが、そばやパスタなどの麺類や、お米も大丈夫です。
酵素ドリンクや甘酒にはたくさんの果糖が含まれていると言いましたが、果糖よりも炭水化物のほうが、体には安全で太りにくく、確実にエネルギーになってくれます。
完璧にできなくても効果大
好きなだけ食べて、太りすぎないか、心配になるかと思いますが、16時間の断食のあいだに、デトックス効果が働き、腸内環境が整うことで、食欲がなくなっていきますので、そこまで心配しなくても大丈夫です。
しかも、この方法は続けることが簡単なので、食べすぎても気にせず、何日か続けてみてください。
リーンゲインズだけでも、ダイエットやデトックスの効果があります。そこに人間があるべき自然な形の食生活を取りいれていますので、長く続けていれば、確実に食欲を抑えて、体脂肪を減らしてくれるでしょう。
実践したお客様の感想
胃が小さくなった気がする
16時間のファスティングを初めてしたときは、すごくお腹が空いて、最初の食事がものすごく楽しみでした。食べられるだけ食べられると思い、たくさん食べようとしましたが、思った以上に食べられませんでした。胃が小さくなったのかと思いました。
朝ごはんを食べないといけないと思っていた
朝は忙しく、無理して朝ごはんを食べていたので、12時〜20時に時間を設定しました。朝ごはんを抜いても、太ってしまうことはなく、逆に食欲をコントロールできるようになりました。朝ごはんを食べないと、というストレスからもなくなり、嬉しかった。
食欲が抑えられるようになった
食後のデザートがやめられず、悩んでいましたが、野菜やお肉、お米をしっかり食べると、不思議とデザートが欲しくなくなりました。まったく食べなくなったわけではないのですが、今は食べていいから食べようという感じで、自分で食べるタイミングを選んで食べています。
まとめ
たくさんのファスティングをご紹介しましたが、大事なのは自分にあった方法を見つけ、長く続けることです。
もちろん、ナチュラルファスティングだけが効果的なファスティングではないので、皆さんのお好きなファスティングを実践していただければと思います。
ただ、ナチュラルファスティングは、すべてのファスティングの良いところだけを取り入れた、一番効果的なファスティングである、ということは確実に言えます。
この記事を読んで下さった皆さんなら、必ずファスティングを使いこなしてくれることと思います。皆さんがファスティングを使いこなし、健康で幸せになって頂けることを、心から願っています。